こんにちは。副業と投資でFIREをめざす週末投資家 ことぶきやです。
そもそもなんでFIREしたかったんだっけ?
もともとは「時間や場所に縛られずに過ごしたい」
と思ったからなんだよね
そもそもなんでFIREしたかったんだっけ?と考えると、時間や場所に縛られずに過ごせたらと思ったのがきっかけ。
FIRE達成するとしても、いきなり完全リタイアとはならずにいわゆるセミリタイア(=サイドFIRE)という過程を間違いなく通ることになると思いますが、サイドFIRE中は投資の配当や金融資産の切り崩しで生活費の一部を確保しながら、足りない分の補填やさらなる金融資産の積み上げのために、フルタイムでなくても副業的に働き収入を確保する必要が出てきます。
そのときの働き方として、僕は起業に雇われる形ではなくフリーランスとして時間や場所に縛られずに働きたいのです。
「ノマド」や「ノマドワーカー」って言葉は最近めっきり聞かなくなりましたが、時間や場所に縛られない働き方が、まさに「ノマドワーク」。
てことで、ノマド的働き方の実現のために本田直之さんの「ノマドライフ」を読んでみました。
本記事の内容
・時間や場所にとらわれない働き方「ノマドワーク」
・ノマドライフは単なる仕事術ではなく「新しいライフスタイル」
・ノマドライフを実践する6ステップ
目次
「ノマド」とは?「ノマドワーク」とは?
ノマド(nomad)とは、もともとは遊牧民を指す言葉です。
今では新しい生き方を称する言葉として使われるようになってます。
「オフィスをもたずに、いろいろなところで仕事をする」
「インターネットを活用し、モバイルを駆使した働き方」
ノマドといえば、こうした定義が一般的。
ただ「ノマドライフ」の著者の本田さんは、ノマドというのは単なる「場所にとらわれない働き方」ではないと考えているようです。
本田さんは「ノマドライフ」について、仕事術のようなライフハックとは一線を画するのもで、”単なるテクニックや新しい働き方にとどまらず、仕事休む場所、生活、趣味などを含めたライフスタイル全般の話” と言っています。
仕事と遊びの垣根のない、世界中どこでも収入を得られるノマドビジネスを構築し、2カ所以上を移動しながら、快適な場所で生活と仕事をすることで、クリエイティビティや効率性、思考の柔軟性が向上し、それがいいスパイラルになるライフスタイル。
ノマドライフ/本田直之・著
これがわたしにとっての「ノマドライフ」です。
「仕事をするのにオフィスはいらない」の著者である佐々木俊尚さんも、著書のなかでノマドワーカーについてこう述べてます。
「遊牧民がラクダという砂漠で最強の乗り物をくり駆り、オアシスからオアシスへと移動しながら生活しているように、狭苦しいオフィスを出て、さまざまな場所を移動しながら働いている人たちです。言ってみれば『オフィスのない会社』『働く場所を自由に選択する会社員』といったワークスタイルを実践している人たちのことです」
仕事をするのにオフィスはいらない/佐々木俊尚・著
また、フランスの経営学者ジャック・アタリは、「世界中どこにいても自ら仕事を創出し、制約のない働き方を実践させている「ハイパーノマド」が世界に数千万人いる」と、著書「21世紀の歴史」のなかで書いています。
このように「ノマド」はカフェで仕事をするといった仕事術ではなく、「あたらしいライフスタイル」であることがわかります。
「ノマドワーク」という働き方が注目された背景
ノマドという働き方が注目された背景に「ホワイトカラーの雇用環境の変化」があります。
日本で「ノマド」や「ノマドワーク」という言葉が流行ったのが2012年頃です。
本田直之さんの「ノマドライフ」が出版されたのが2021年3月、その少し前の2011年11月には佐々木俊尚さんの「仕事するのにオフィスはいらない:ノマドワーキングのすすめ」という本が出版されています。
少し時期をさかのぼると、2008年に「リーマン・ショック」による世界的な大不況が起きました。
終身雇用制度の崩壊が叫ばれ、正社員雇用が減り契約社員やフリーランスで働かざるを得ない。
会社に所属さえしていればなんとかなった時代から、自分自身で人生を切り開かなければならない時代へ変わっていったのです。
その前後から、海外ではいち早くフリーランス向けマーケットプレイス市場が拡大していきましたが、日本でもランサーズ(2008年)やクラウドワークス(2011年)が創業し、フリーランスとして働きやすい土壌ができあがっていきました。
上記のような経済環境や働き方の多様化という時代の変化が重なり、「ノマド」や「ノマドワーク」が注目されるようになりました。
書籍「ノマドライフ」はスティーブ・ジョブスの言葉からはじまります。
今日が人生最後の日だとして、今日これからやることは本当にやりたいことか?
何日ものあいだNOという答えが続いた時は、何かを変えなければならない。
ーーースティーブ・ジョブス
右肩上がりの経済成長はもはや過去のものになり、一つの会社に定年まで勤め上げるという働き方は絶対的なものではなくなりました。
自分自身がほうんとうにやりたことは何か?一昔前にはそれほど考える必要のなかった問いかもしれませんが、満員電車に揺られて、朝から晩まで会社で働くといった、そんな働き方が見直されてきています。
「ノマドライフ」はそんなノマド生活について書かれた本です。
「ノマドライフ」を達成するまでの6つのフェーズ
本田直之さんがいうノマドライフの定義について再度見てみましょう。
仕事と遊びの垣根のない、世界中どこでも収入を得られるノマドビジネスを構築し、2カ所以上を移動しながら、快適な場所で生活と仕事をすることで、クリエイティビティや効率性、思考の柔軟性が向上し、それがいいスパイラルになるライフスタイル。
これがわたしにとっての「ノマドライフ」です。
では、本田さんの言う
「仕事と遊びの垣根のない」
「世界中どこでも収入を得られるノマドビジネスを構築」
「2カ所以上を移動しながら、快適な場所で生活と仕事をする」
「クリエイティビティや効率性、思考の柔軟性が向上し、それがいいスパイラルになる」
といったライフスタイルを実現するにはどうすれはよいのか?
誰にでもできるといっても、ノマドライフは今すぐにできるわけではありません。
時間をかけて準備をし少しずつ移行していくというのが実現可能な方法だと本田さんは書いており、ノマドライフにたどり着くまでのプロセスを6つのフェーズに分けて紹介しています。
第1フェーズ「ベースを作る時期」(5年)
第一フェーズをベースをつくる時期です。
ノマドが流行りはじめた当時、まったく実績もないのに流行りに乗って注目されただけのノマドワーカーがたくさんいましたが、そういった人たちはの名前を今聞くことはほぼありません。「あの人は今」状態ですね。
たしかに、当時ノマド先駆者として取り上げられてた人、
まったくみなくなったなような…
それを考えると本田さんの提唱するノマドライフの基礎作りは地に足つけた内容にも思えます。
読書メモを抜粋します。
- 社会に出た後の5年間はベースとなる仕事のノウハウを学ぶ時期。
- 本田さんの場合は、外資系の国際産業見本市主催会社に就職し、営業のノウハウを学ぶ。
- その後、海外でビジネスと生活するためのノウハウを学ぶために、仕事を3年目に退職。
- 自費で2年間ビジネススクールに留学してMBAを取得。
- ここでは、あれこれ欲張るより、むしろ何かに集中する方が良い。
本田さん自身も第1フェーズでは、それまで楽しんでいた時間の消費量が多い趣味は全部やめたと書いていますが、単にストイックに生活するのではなく優先順位をつけることが重要ということですね。
「遊ぶな」というストイックな話ではありません。ただ、このフェーズで時間やお金を取られることをあれこれ中途半端にやっていると、インフラとしてのスキルがつかず、その先に行けなくなるということです。
すでに何も考えずに社会人生活を過ごしてしまった人はどうすればよいの?という感じもありますが、どんな業界で働いていてもレベルの高低はあれどビジネススキルの基礎は身につけています。
すでにある程度の年齢の方は自分のスキルの棚卸しをしてみるとよいでしょう。
第2フェーズ「方向性を模索する時期」(3年)
第2フェーズは、さまざまな種を蒔き、未来のベーシックインカム(固定収入)をつくっていく時期と書かれています。
- 本当にこの方向でいいのかと考え続けた時期。本田さんは、勉強したり、資格を取ったり、多くの人に会ったりした。
- さらに人材紹介会社に登録し、よさそうな会社があれば転職する気がなくても面接を受けていた。
- アメリカ留学時代、アルバイト的に自分で始めたビジネスも継続していた。
- たとえ小さくても、ビジネスの種をいろいろ蒔いていた時期。
自分がどの方向性向いているか、トライアンドエラーを繰り返していくイメージですね。
フェーズ1と同様に、無計画に年齢を重ねてしまった人はここをスタートラインにしてください。
自分のこれまでの経験やスキルを棚卸しした上で、新しい方向性を探るためにアクションをとっていきましょう。
第3フェーズ「未来につながる実績を残す時期」(5年)
フェーズ1で基礎を固め、フェーズ2で方向性を模索したら、次は未来につながる実績を残すことに注力するフェーズです。
- 本田さんは、当時勤めていたシティバンクを離れてバックスグループに資本参加。
- 常務として経営改革をし、十数億円の売上げを100億円まで伸ばした。
- 同社を上場させた経験により、自身のビジネスの中心であるレバレッジコンサルティングが完全に出来上がった。
- 経営ノウハウ、組織を動かすノウハウ、財務的な知識、成果を上げる仕組み等のスキルが一気に自分の中に構築できた時期。(1年で10年分ぐらい働いた)
実績がすごすぎる...
ただ、この実績も基礎固めの時期にビジネススクールに留学してMBA取得し、その後も様々な種まきをつづけ、戦略的に準備をしてきたからこそできたことということがわかります。
とびぬけた成果を出すこの時期は仕事に集中し、濃密に働くことが必要です。
これが将来のノマドビジネスのベースになっていくのです。
本田さんの実績だけ見ると雲の上感でてしまうけど、
自分なりの基準で考えればOK!
第4フェーズ「転換期」(2年)
次の転換期では、出始めてきた成果をベースにして新しいライフスタイルを作っていく時期になります。
- 成果を出したらステップアップし、新たなライフスタイルを作っていく時期。
- 本田さんは、本格的に拠点を2つもつデュアルライフのリサーチと同時に、どこでも仕事ができるようにノマドビジネスをスタートしたのがこのフェーズ。
- いきなり実行に移さなかったこともポイント。
- 2年間かけて、2ヶ月に1回、そして最後のほうは、毎月ハワイに行き、準備とリサーチをすると同時にやめていた趣味を再開。
- ワインアドバイザーの資格を取ったのもこのフェーズ。
- 転換期こそライフスタイルをブラッシュアップするべき時期。
デュアルライフあこがれるなー
ディアルライフの実現、FIREをめざす僕にとっての一つの目標です。
第5フェーズ「実践期」(5年)
第5フェーズは実践期。フェーズ4でつくったライフスタイルを進めていくことで、そのノウハウが溜まっていきます。
2拠点生活からさらに展開していき、どこでも同じ生産性で仕事ができるようになっていくことで「ノマドライフ」が実現していきます。
- 2拠点でデュアルライフを実践するうちに、働き方、暮らし方のノウハウが構築。
- 2拠点でもより多くの拠点でも、極論すれば、どこにいても同じクオリティで生産性の高い仕事をし、自分らしい暮らしもできるのではないかと気づいた、デュアルライフからノマドライフへ移る転換点。
- 自著の執筆にとどまらず、魅力的な人物がいればプロデュースし、書き手としてのデビューをサポートするという新たなサービスも開始。
- さらにライフスタイルを楽しむことで、どこにいてもできるノマドビジネスを拡大していく。
「実践→ノウハウの展開→ビジネスの拡大」という流れ。
第6フェーズ「シェアの時期」
ノウハウを展開しビジネスを拡大していくことで仲間が増えていく。理想的な流れですね。
- いままで作ったノウハウを伝えて、デュアルライフする仲間、ノマドライフを選ぶ仲間を増やしていこうと思っている。
あなたは今どのフェーズにいるでしょうか?
おそらく第1、第2フェーズの人が多いのではないかと思います。
自分の年齢と比較してもう間に合わないのでは?と思ってしまうかもしれませんが、今は、本田さんが実践したときよりも携帯電話やインターネットも普及していて準備期間を短縮できるので、むしろこれからはじめる人のほうがチャンスは大きいはずです。
いずれにせよ大切なのは、段階を追って準備をしていくこと。
長期的視点をもち、今のフェーズにふさわしい行動をすべきだということです。
ハードに働くべきときはハードに働く。
余裕ができたらゆったりと集中して考える時間を持つ。
もちろん、全部一度にやれる器用な人もいると思いますが、わたしはそこまで自分の能力が高いとは思わないので、フェーズを切ってクリアしてきました。
【ノマドライフ実践のためのトレーニング】
そのほかにも「ノマドライフの実践」として、
「仕事のトレーニング」
「お金のトレーニング」
「暮らしのトレーニング」
「時間のトレーニング」
「思考のトレーニング」
と、今の暮らしからノマドライフに移行するためのトレーニング方法が紹介されていました。
日々の生活から意識することで簡単に変えれる内容から、少し意を決してやらなければできなそうなものまで、各項目ごとに3〜5つのトレーニングが紹介されているので、できるものから実践していけばよいでしょう。
ノマドライフ、ノマドワーカーに関する類書もありますが、ほかの本はほとんどがノマドワークの良いところの紹介や、ノマドワークを実践する際のライフハックの紹介がメインなので、本書の「ノマドライフを実践ための準備とトレーニング方法」は具体的でわかりやすいですね。
「ノマドライフは一日にしてならず」です。
おわりに:ノマドライフとは心のあり方
ノマドライフの実践はやってみたいけれど不安だ、という人は多いと思いますが、本田さんはこのように言っています。
不安は、受け入れましょう。
その上で、不安に支配されないために行動することです。
わたしの場合は、ノマドになりたいという目標が先にあったわけではなく、縛られるのが嫌で、できるだけ身軽でいたい、そしていつかはハワイに住みたいという気持ちが強かった結果として、いまの形になりました。
好きなもの、あるいは逆にやらないことを明確化し、自分のライフスタイルを明らかにしていくことで、不安が課題に変わり、やるべきことが見えてきます。
一番いけないのは、不安だからといって何もしないこと。
何も調べず、何も考えず、何も行動に移さず、ただ不安を募らせて足踏みしていたら、毎日が無為に過ぎていきます。
いつも自由で、とらわれず、何にも依存せず、馴れ合わない心のあり方。
仕事と遊びの区別をつけず、クリエイティビティや効率性、思考の柔軟性が向上し、それがいいスパイラルになる人生。
(中略)
ノマドライフは、新しい生き方のひとつの提案、そして新しい心のありようのひとつの提案です。
やるのも自由、やらないのも自由、全ては自分次第ですね。
でもやりたいと思っているのであれば、前に進むほうがいい。
本書に書いてあることを少しでも実践していけば、少しずつノマドライフに近づいていくはずです。
行動を伴わない想像力は、何の意味も持たない
By Charlie Chaplin(チャールズ・チャップリン)